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一章

​5・いつもと同じ朝

 空は暗かった。毎日黒い雲が空を覆っている。この地に太陽の光が差すのは稀な事。今日も工場で働く労働者の上にどんよりと広がっている。

≪港町A街(エーストリート)7丁目232番地「244工場 」”通称”ガーデン-・・

 

 

午前中の短い休憩中、工場の外の軒先でアリオンはぼんやりと宙を見つめていた。大勢の労働者と機材が稼働する内部と比較して、外は配送の車両が到着するまでは静かだ。

大きなあくびをひとつする。全身にまとわりつくだるさを振り払うのは困難で、仄暗い気候が眠気を誘った。涙目をぬぐってもまたあくびが出て涙が出る。

 

以前もこんな事があったなと頭の隅で思う。

毎日毎日。同じような日々が巡ってくる。灰色の空、少し肌寒い潮風にまじるラジオの音。機械いじりが好きな自分にとって工場での機械部品の製造や組み立ては向いている仕事と思う。

ただ、毎日言われるがままに皆で集まり図面を数分見て言われた通りに造る。そんな日々に空虚さを感じていた。先日のある出来事をきっかけに退屈な日々は終わりを告げ、恐ろしさも伴うものの未知なる刺激的な生活が始まりそうな予感がしていた矢先。

 

アリオンからため息とつぶやきが漏れた。

「いつもと同じか」

「何が同じなの?」

 

返答があると思ってもみず、アリオンは瞬時に後ろを振り返った。アミアが工場から休憩に出てくるところだった。昨日会った時と同じ格好をしている。アリオンはあくびを噛み殺しながら手を上げた。

「日常」

「昨日あれだけ色々あったじゃん」

「確かに」アリオンは首をすくめた。

アンドロイドのイオを機械修工店に運び(車の運転をしたのはアミアだが)、その後不可解な現象に巻き込まれて森をさまよった挙句、店の座椅子の上で一夜を明かしたり・・。

 

アミアは隣に並ぶと、あれから大丈夫だった?と聞いてきた。

「うん。なんともなかった。森は出てこなかった」

こっくりとうなずくアリオンのどことなく消沈した様子を見てアミアは言った。

「何か疲れてない?まあ無理しないでよ。で、どうだったイオは反応あった?」

アミアの何気ない問いかけにアリオンは突然食い気味に振り向いた。

「聞いてくれる?」

 

 

 早朝、太陽が昇って暗い雲がうっすら黄色味を帯びた頃。

アリオンは最寄りの「交換所」に猛ダッシュした。昨晩未明にレター箱に届いた「白い花」を交換するために。

 

アンドロイドと人の間にあるイオ。「深緑」によって眠り続け、身動きがとれなくなっている彼女を人に戻したいと伝えると、機械修工店主は何か刺激を与えてはどうかと提案した。

森で出会ったイオからもらった「白い花」は強い芳香を放ち、元々アリオンに深く印象付いていた。

それがどういうわけかアリオンの生体プログラムのレター箱に届いていた。

まるで彼女からのメッセージのようで、直感的にアリオンはこの花の香りでイオが目覚めるのではないかと思った。花をイオに渡すつもりでいた。

 

 

アリオンの話を聞きながらアミアの一重瞼がどんどん大きく開かれていった。

「で、どうなったの?」

アリオンはアミアをじっと見つめたまま無言でハーフパンツの大ポケットを探り、取り出したファイルから何か茶色のカサカサと音がする物を出した。アミアの視線がそれに吸い込まれ、そして情報を処理するための時間が流れた。やがて笑いながら頭を振った。

 

「ダメ、わかんない。ナニコレ?」

「花」

「はな?枯れ草だけど」

アリオンはむっつりとした表情のままうなづいた。

「ゼノが言うには昨日森で会ったイオは彼女の記憶の中の彼女なんだって。だから要は過去のイオなんだ。

レターの差出時期を見たら一年位前になってた。交換所で花を受け取ったらなんと、ドライフラワーになってたんだ。はあああ、この花を渡せば目覚めると思ったのに。まさか時間経過が起きるとは。枯れてるなんて思わなかった。香りなんかかすかだし」

 

アリオンは花に鼻を近づけて吸い込んで吐き、再びポケットに戻すと体の底から深いため息をついた。

「それで気落ちしてたのか」

「うう・・期待して落とされたからショックでかい。とりあえずイオの鼻先に近づけたり枕元に置いてみたけどやっぱウンともスンともいわなくて」

「効果なかった」

「ああ・・」

アリオンの肩をアミアは気遣うようにポンと叩いた。

「でもその花は収穫じゃん。それと同じ花を探してみればいいんじゃない。・・それより“一年前”からレター送ってきたのが衝撃でびっくりしてるよ。・・ちょっとタバコ吸って落ち着きたい位」

「行っていいよアミア。休憩に行く途中だったんだろ。話聞いてくれてありがと。アミアの言う通り同じ花を探すしかないかなあ」

動揺しているアミアを見て、アリオンは自分がイオの反応の事しか考えていなかった事に気が付いた。

(確かに過去からレターが届くなんてあり得ない事だもんな)

 

 

喫煙所に行くアミアの背中を見送っていると今度は入れ替わりで、夜の工場に一緒に赴いたアブとアレックスが手を振って寄ってきた。

 

「よっお疲れ」

「お疲れさんー」

「お疲れ。なんかひどく久しぶりな気がするな」

ガリガリ眼鏡で鷲鼻のアブと太っちょ眼鏡でふわふわ髪のアレックスをアリオンはいつものように片手を上げて迎えた。二人とも背は高い。アリオンがなんとなく背筋を伸ばしてみるなどしていると、アブとアレックスが顔をじろじろのぞき込んでいるのに気づいた。

「大丈夫そう」

「大丈夫そうだな」

「?何がだよ」

「ほらおとといの夜から会わなかったでしょ。その後大丈夫だったかなって」

ああ、とアリオンはアブに相槌を打った。

「あのアンドロイドなら修理に出した」

「消えなかったんだ」

「消えない?」

アリオンは瞬きすると、アレックスが横から言った。

「あの持って帰ったアンドロイドが幽霊で、アリオンは乗っ取られてんじゃないかってアブは心配してたんだ」

「は、はあ?乗っ取られるか。この通りピンピンしてるけど?」

そう言いながら内心ちょっと思いあたる節があり少し冷汗が出たアリオンだった。

 

「それはよかった。で、深緑製だったのかい」

アブの問いかけにアリオンは一瞬詰まった。

「・・残念ながら違ったよ。でも直して使うつもりでいる」

イオが深緑製であり人間でもある事は口外しないようにと修工店主に言われていた。アリオンも同意だった。

「おっ、さすがそう来るか。でも残念だったなー。深緑製だったら良かったのに」

「最新型もいずれ古くなる。そのうちお目に掛かれる」

残念がるアブに対してアレックスは目を閉じてうんうんとうなづいている。

 

「あの光景、凄いきれいなアンドロイドだったよな。あの後アイクがもう一度あの工場に一緒に行ってくれってきかなくてさ」

アブは腕を組みながら苦笑いしている。アリオンは目を見開いた。

「また行ったのか?あんなに行くの嫌がってたのに」

「うん、一緒に行った。次の日の昼間に」

「昼間・・(ビビりだからか)。一応聞くけど何のために?」

「さあ。もう一度見たかったとか」

「入れたの?」

「入れた。でも不思議な事に何度探してもあの塔みたいな場所が見つからなかった。あんなにあったアンドロイドも無かった。で、すごすごと帰還した。あれ、俺たちが入った後に解体して運び出したのかな?なんにせよ不思議な夜だったよね」

大したことではなさそうにのんびりとアブは笑っている。

イオと出会ったあの場所が消えてしまった事に、アリオンは引っ掛かりを感じたが二人を前にどう言葉にしていいのかわからなかった。

「まじで。絶妙なタイミングだったのかな・・」

ふと、辺りを見渡しアリオンは言った。

「そういえばアイクは?あー、例の新しい彼女のところか」

「さあ。アレックス知ってる?」

「しゃね」

いつもなんとなく近くに居る顔だったため気になった。近くに居れば居たでうっとおしいし、居なければ気になるそんなヤツ。

アブとアレックスも知らないようなのでアリオンは話題を変えることにした。

アミアが自分たちと飲みたいと言ってる事を二人に伝えると、二つ返事で承諾された。

「大歓迎だよ」

「右に同じ」

「ありがとう。そう言うとは思ってた」

「いつ行く?今日は?」

「え、今日?いいけど・・」

ノリで答えかけてアリオンははっとした。

「ダメだ。俺しばらく昼間の飲みしか参加できないんだ。言い出しておいてなんだけどゴメン」

アブとアレックスは意外そうに顔を見合わせた。

「昼間?いいよ別に、ねえ」

「ちょっと待って」

アレックスはスケジュールを調整し始めた。

 

(危ねー。夜出歩けないの忘れて普通に夜飲みに出るとこだったぜ)

アリオンはさっと顔の汗をぬぐった。

「何か用事でもあるのかい」とアブ。

「ちょっとね、アンドロイドの修理で色々あるんだ」

「へえー」

(間違った事は言ってないぞ)

 

予定の精査の結果、来週末の昼に飲み会が開催される運びとなった。

「ごめん、無理言って。本当ありがとな」

「いんや。来週楽しみにしてるよ。アミアによろしく」

「日曜の昼集合なんてめっちゃ新鮮だ」

2人は特に気にする様子もなくただ飲み会を楽しみにしている様子で喫煙所に向かった。

 

理解も適応力もある友人たち・・。彼らは深緑製アンドロイドが人間である事や、自分がそれを人に戻そうとしている事など知らない。この前の夜以降、受け止め方に差ができてしまったのを感じずにはいられなかった。

 

アリオンはしばらく宙を見つめていたが時間が来て工場の中に戻って行った。

 

 

 

 

(俺がこの花の形と香りを覚えてるうちに同じ花を見つけないと)

 アリオンは枯れた花を持って、空いた時間を街の思いつく限りの花屋を回って歩いた。結果、花はいくつかの種類に絞る事ができた。似ている花を買ってはイオの枕元に飾る日々。花の香りにむせ返る機械修工店だったが、イオは変わらず眠り続け目覚める気配はなかった。イオを店に預けてから一週間が過ぎ、アリオンは入院の延長の手続きを行うため店を訪れていた。

 

港町A街(エーストリート)1丁目313番地- 『機械修工店』・・

 

 店の奥の薄い青緑色の部屋でイオはベッドの上に横たえられていた。普通のアンドロイドを集めた部屋とは別の特注室で、人間が入院時に使用するようなしつらえになっている。

「失礼します。こんちはー」

今日もアリオンは白い香りの強い花を携えてその部屋を訪れた。東側に頭を向けて目を閉じているイオの周りには、彼が今までせっせと運んできた花が飾られている。

こちら側に背を向けて機械修工店長のヘーゼルナッツ氏が、イオの頭に帽子型のセンサーを被せている所だった。

 

アリオンは口を閉じると静かに扉を閉めてイオの足元の方へと向かった。

「今な、頭に信号を送ってるんだ。直接脳に呼びかけてみようってな」

「そんな事できるの?」

足元から店主の反対側へ移動したアリオンはヘーゼルナッツ氏の言葉に目を丸くした。

店主もイオを起こすために様々な手を打っているらしい。

 

「はろーはろー、こんにちはー」と店主がマイクに向かって言うと、イオの頭に被せられた帽子型のセンサーに赤い光が点滅し、丸い光の玉がセンサーの管に沿って移動し始めた。頭へ向かって流れていく光は言葉を伝える信号なのだ。アリオンはその様子を黙って見守った。イオは初めてここに連れて来た時から何も変わらず、微動だにせず横たわったままだった。しばらくして店主の試みも終了した。

 

 

 

アリオンはイオの入院延長の手続きを店主に手渡した。

「なかなか手ごわいね。早く目が覚めないとここが花園になっちまうな」

「花を持ちこむのは構わねえが、水やりと枯れた花の処分とか掃除はそっちで頼むぜ」

「わかった」

手渡された手続書を確認しながらヘーゼルナッツ氏は言った。

「新しくひとつわかった事がある。この嬢ちゃん、深緑で人からアンドロイドに変化する途中で止まってるって言っただろ。原因がわかったぞ。単純なエネルギー不足だ」

 

「エネルギー?」

「ああ。変化の途中に必要なエネルギーが切れてそのせいで停まったようだ」

アリオンは瞬きをした。

「それって何?」

「・・人が深緑製になる時に必要なエネルギーについては詳しくはわからん。深緑製になっちまったら後は水が体を支配して勝手に動き出す。まあここに来た深緑製アンドロイドは全部停止していたし、まとめて引き渡したがな」

 

あのな、と店主はアリオンの方に向き直った。

「この先の事について話しておきてえ。ここへ来て一週間、試行錯誤はしてるが嬢ちゃんは今のところほとんど何も効果がなく動きもない。ここでやれる事は全部やったかもしれねえ。もしこのままの状態が続いて埒が明かない時、どうするか考えてあるか?何が言いたいかっつうと深緑にはやつら(政府)が関与してるしよ、正直気が気じゃねえのよ」

アリオンははっとした。急に辺りが静かになった気がした。

イオを目覚めさせる事で頭がいっぱいだった。ゼノスの場所もイオが目覚めてから聞いても遅くないと思い、まだ聞いてもいない。無理を押してイオを引き受けてもらっていると言うのに、店主の言葉で今の状況の深刻さを思い出した。アリオンは決心して言った。

 

「おっちゃん、俺イオを連れてゼノスに行こうと思ってるんだ。けど行き方を知らないんだ。おっちゃんが殿上から来たって噂で聞いたんだけど。知ってたら教えて欲しいんだ」

 

アリオンの言葉に店主の顔がみるみる白くなり、口元が固く結ばれた。

「お願いします」

アリオンは頭を下げた。

「そんな話もあったな」

頭の上から震え気味の声が聞こえ、顔を上げたアリオンだったが耳に飛び込んだのは予想外の言葉だった。

「俺は知らない。俺はそんな所から来たわけじゃない」

「へ!?うそ!!」

思わず大声を上げたアリオンに、店主は慌てて周囲を見回して声を小さくするジェスチャーをした。

「しっ、・・はっきり言うとだな、俺は出るには出たが、行き方はわからない。本当に知らない。だからな、にーちゃんに『来い』って言った奴に直接聞いてくれ」

 

アリオンは予測しなかった返答に茫然とした。妙な芝居も入って混乱するが、出たのに行けないとは一体どういう事だろうか。

 

「力になれなくて悪いな。それはそうと、にーちゃんは嬢ちゃんをどうしても人に戻す気なのかい」

アリオンはまだ店主の返答に釈然としなかったが答えた。

「・・そうだよ。だからこうして花を運んできてるんだ。おっちゃんが言ったように、刺激を与えて目覚めるようにしてるんだ」

 

「人間に戻して(天井を指さして)連れて来いって言ったのかい。いっそこのままの状態でもいいんじゃねえか」

「え」

「アンドロイドのままの方が楽なんじゃねえかと思ってな。もし半端に人に戻ったらよっぽど大変かもしれんぞ」

アリオンは思わず唇をかんだ。

店主の言い分も最もだと思ったが言った。

「確かに”連れてきて”と言われたけど”人に戻して”とは言われてない。でも、何といっても俺が人間のイオに会いたいんだ。森で元気なイオを見てこの人の本当の姿はこうなんだって知ったら絶対戻してやりたいって思った。森で花の世話をしてたから、その時くれたこの花を渡したら目覚めるんじゃないかと思って」

 

アリオンは花に囲まれて眠り続けるイオに視線を向けた。

「過去のお嬢さんからレターが来たって話だったか」

「どうやって来たんだろう。おっちゃんわかるかい?」

「いんや。わっかる訳ねえ。おそらく深緑が関係してるんだとは思うが」

「そうか」

「ま、にーちゃんの気持ちはわかったがな。連れて行くなら大変な旅になるぞ」

「うん」

アリオンは足元を見つめた。政府が関連するなら早く決断しなければならないと感じた。出発が遅くなれば店に迷惑どころか危険がおよぶ可能性が高い。

イオがアンドロイドか人間かにこだわらなければ、そしてゼノスの場所さえわかれば出発は可能だ。

アリオンは冷汗を垂らしながら思案して答えをひねり出した。

 

「あと3週間ここに置いてほしい。今までの1週間と足して丁度ひと月になる。イオに変化があってもなくてもここを出るから」

店主の反応を待つ。

しばらくすると「んんん」と唸り声が聞こえた。

「しゃあねえ」

そして店主は右目を無理やりウインクした。

アリオンは思わずぷっと噴き出してしまった。

「何だよそれ」

「待ってやるって言ってんだよ」

そう言って店主はアリオンの背中をバンと叩いた。アリオンは頭を下げた。

「ありがとう、旅に出る時の装備品はここで揃える」

「よろしく。その代わり不穏になったら、おりゃ逃げるからな」

「えーっ、わかったよ」

笑顔のアリオンが出した右手を苦虫をつぶしたような表情の店主が力強く握りしめた。

 

 

(さてイオ、どうか目覚めてくれよ。待ってるからな)

花の中で眠るイオは、夢の世界で見たイオとフラッシュバックして見えた。

「・・そうだ。俺おっちゃんに言ってない事があったよ。森で会った時、イオはこの辺の言葉をしゃべってなかったんだ。翻訳機を使えればよかったんだけど使えなくてさ」

「ほお、そいつぁ耳より情報じゃねえか。外国人だったら俺たちの言葉で信号送っても反応ないわな。別言語でさっきのヤツやってみるか」

「さっきのって?」

「頭に直接言葉を送り込むのさ。にーちゃんどうだい」

「やる、やるよ!」

 

ヘーゼルナッツ氏は笑いながら小型マイクをアリオンに手渡した。先ほどの自分たちの言語とは違う言語でアリオンはイオに呼びかけた。生体プログラムの”同時翻訳機能”で言葉を別の言語に翻訳して伝えた。

 

こちらありおん イオ イオ 応答してください

ありおん イオ はろー はろー

げんきですか

そろそろ おきませんか

 

 

何度も話しかけるうちに何かに似ている気がしてきた。

 

「テレフォシーだ」

生体プログラムのテレフォシー(遠隔通話)を通じない相手に何度も試しているみたいだとアリオンは思った。

「おっちゃん、つかぬ事をきくけどイオは生体プログラムを使う事できるの?・・おっちゃん?おっちゃん!」

店主は無表情のままイオを見つめている。

「テンジョウが来たぞ」

「何い!?放り出すぞクソ坊主ぅ」

「ごめんなさいそれだけは勘弁してください。だって急にぼーっとしてんだもん大丈夫?」

「はぁはぁ、天(てん)の上(じょう)に召されるところだったぞ・・ちきしょう寝不足だい。生体プログラムは・・恐らく使うのは難しい。正常には動作しないだろう」

「ふーんそうか」

 

答える店主の様子が少し気になったがアリオンはすぐ忘れてしまった。

(ちぇっ、もしイオが生体プログラムが使えたら、心に直接話せたかもしれないのに・・。まてよ、もっと心に直接話せる場所あるんじゃないか?)

 

アリオンは様々な言葉でイオに話しかけ続けたがその日イオが目覚める事はなかった。

Shinryoku to mazyo

©KUROTIYO

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